能楽「敷地物狂」は金春禅竹による作品とされ、舞台は大聖寺敷地、菅生磯部神社の境内です。
室町時代に廃曲となった幻のこの作品が、1997年大槻文蔵氏によって復刻上演されました。
どのような能楽であり、また復刻上演された経緯などをお話いただきます。
日時 | 平成23年12月3日(土) 12:30開演 13:00~16:00 |
場所 | 加賀市 セミナーハウス「あいりす」アイリスホーム 石川県加賀市山田町 加賀市中央公園内 |
講師 | 大槻文蔵(観世流能楽師) 竹田真砂子(作家) 猪又宏治(国立能楽堂企画制作課長) 八代有子(フリーエディター) |
プログラム | 13:00 ~ 開会のご挨拶 「能楽の中の敷地物狂」猪又宏治氏 「講演」とVTR上映 大槻文蔵氏 「敷地物狂のこれから」竹田真砂子氏 八代有子氏 16:00 終了 |
入場料 | 無料(定員120名 先着順) |
主催 | 加賀市文化財総合活用事業実行委員会 |
後援 | 加賀市・加賀市教育委員会 |
大槻 文蔵 (おおつき ぶんぞう) 観世流シテ方 昭和17年(1942)9月25日生まれ 大阪在住。 平成8年『松尾芸能賞優秀賞』・平成9年『読売演劇大賞優秀男優賞』 平成10年『文化庁芸術祭優秀賞』『観世寿夫記念法政大学能楽賞』 平成11年『大阪芸術賞』『芸術選奨文部大臣賞』 平成14年度『紫綬褒章』 大阪府『大阪舞台芸術賞』。 昭和22年『鞍馬天狗』稚児にて初舞台。昭和30年『鷺』、昭和37年『道成寺』、昭和44年『望月』、昭和57年『恋重荷』、平成元年『卒都婆小町』、平成2年『朝長・懺法』、平成10年『檜垣』、平成19年『関寺小町』などを披く。現在、大槻能楽堂理事長。 |
永享4(1432)年3月15日伏見御所で、能「菰物狂」が上演されたと『看聞日記』に言う。この謡曲「菰物狂」は「敷地物狂」のことであるという。
「敷地物狂」は金春禅竹が創作した謡曲であるとされる。舞台は加賀江沼郡菅生の菅生石部神社の境内(敷地)である。主人公は菅生殿の子息、幼くして比叡山に登り出家する。その後、僧として故郷の菅生へ帰るが家はなく、両親の消息すらつかめない。敷地の宮の境内でみずぼたしい姿の老婆が説法を聞きに来る。老婆は息子が書き残した手紙を読み上げ、母であると判り再会を果たすというものである。
貞治3(1364)年 | 大和猿楽座太夫観阿弥の嫡男にて、世阿弥生まれる。 |
応永12(1405)年 | 金春禅竹生まれる。 |
応永21(1414)年 | 世阿弥・「実盛」を創作。 |
応永29(1422)年 | 曹洞宗補厳寺竹窓智厳の許、世阿弥出家する。 |
永享4(1432)年 | 敷地物狂上演される(『看聞日記』)。 |
永享6(1434)年 | 将軍義教によって、世阿弥佐渡へ配流。 |
永享7(1435)年 | 佐渡から禅竹へ妻寿椿の世話などの感謝の文をだす。 |
永正13(1516)年 | 敷地物狂の作者を禅竹作とする(『自家伝抄』)。 |
正徳3(1713)年 | 鳥取藩江戸屋敷にて上演される。 シテは松田喜太夫(『御在府御在国日記』) |
平成9(1997)年 | 大阪大槻清韻能楽堂で復刻上演される。 読売演劇大賞受賞。 |
平成23(2011)年 | 第1回講座「敷地物狂」開講 講師大槻文蔵・竹田真砂子・猪又宏治・八代有子氏 |
平成24(2012)年 | 第2回公開講座「敷地物狂」開講予定 |
平成25(2013)年 | 加賀国江沼郡菅生(現加賀市) 菅生石部神社境内(敷地)にて帰郷上演予定。 |
お問い合わせ/菅生石部神社 石川県加賀市大聖寺敷地ル乙81 ℡0761-72-0412 mail:sugodono@gmail.com